財産目録は、簡単に言えば「資産の一覧表」のことです。
相続対策をするには、全体の資産額を把握する必要がありますから、まずは財産目録を作成することから始めるのが良いと思います。
このような作業は、少し面倒に感じる作業かもしれませんが、なるべくご自身でやるのがオススメです。
専門家に作成依頼することもできますが、自分自身の資産を見直す機会にもなりますし、全体像や、資産整理の必要性等が見えてくるからです。
ざっくりとしたものでも良いので、まずはご自身で作成してみてください。
エクセル等で簡単に作成できますし、パソコンが苦手な方は手書きでも結構です。
この記事では、財産目録の作成ポイントや注意点等についてご紹介しておきます。
現金(金融)資産をまとめる
財産の中でも、現金は最も簡単に集計できる資産ですよね。
単純に、合計額を出せば良いだけですので、通帳記入をしておけばいつでも把握できます。
現金についての目録を作成する際のアドバイスとしては、定期預金と普通預金を分けて記載しておく事です。
できれば、通帳(口座)ごとに記載し、合計額を求めるようなレイアウトにしておくと良いです。
金融資産には、現金の他にも色々とあります。
投資信託や株式投資をしている人は、時価評価でその換金価値を把握して記載します。
この時、いつの時点の評価なのか分かるように、「2021年10月時点」等と記載しておくと良いです。
社債や貸付金等の債権については、備考欄等に貸付の経緯を記載しておきましょう。
保険資産をまとめる
保険資産は、加入した本人でも良く分かっていないというケースも多いです。
相続の際、相続人が困らないように、明確にしておいてあげることが大切です。
医療保険等も含め、死亡した時に保険金が発生するものや、解約した際に返戻金がある保険について一覧にしておいてください。
保険会社名、証書番号、問い合わせ先情報、担当者名、保険種類、契約時期、保険金額等を記載しておきましょう。
不動産の目録をつくる
財産目録の作成において、最も難しいのがこの不動産目録です。
不動産をたくさん所有している方の場合、かなりの時間と手間がかかりますので、少しずつ調べていくのがコツです。
不動産の目録を作成する際には、相続時の不動産の評価方法を学ぶ必要があります。
これが少々ややこしいので、面倒な方は固定資産税評価額だけ記載しておくか、各物件の謄本コピーがあればOKです。
物件の所在地、面積、固定資産税評価、使用状況、所有者名(持ち分)は、最低限記載しておきたい事項です。
その他、地番、地目、生産緑地認定の有無、借地権、時価評価、路線価等が分かれば尚良いですが、これらは税理士やコンサルタントに任せれば良いと思います。
全体収支をまとめる
ここまでにご紹介した財産の他、自動車や美術品等、価値の高い資産を所有している場合には、それらの時価を計上します。
相続時の評価方法は、財産の種類によって異なる部分がありますので、本当に正確な総額を算出するのは難しいことです。
ですから、概算値として、一定の目安にできるレベルで作成してあれば充分です。
対策の考案については専門家に任せれば良いので、財産目録の作成によって資産総額を把握しておくことが大切です。
まとめ
具体的な相続税の額を知る上でも必須の作業ですので、この機会に財産目録の作成にトライしてみてください。
インターネット上には、無料でダウンロードできる財産目録のひな型等もありますので、これを印刷して使用するのも良いでしょう。
財産目録があれば、ある程度の予定が立ち、相続税の金額についても明確になります。
対策については、相談先の力量や誠意によってかなり成果が変わります。
税理士同士の間でも、数千万円の違いが出ることも珍しくありませんので、相談先は慎重に選んでください。