相続税対策でアパートを建てる危険性とは?(2021年版)

アパート経営では失敗事例も多いですから、経営判断はとても重要なところです。

アパート等の建築は、大抵の場合、専門家等に提案されたことを機に決断されています。

それなのに失敗事例が後を絶たないのですから、「専門家の提案が正しくない」という事になります。

どうしてこんな事になってしまうのか、良く知っておく必要があると思いませんか?

この記事では、アパート建築(経営)の判断方法と、その危険性についてご紹介します。

 

アパート経営は儲かる?

相続税対策の一環として、税理士や不動産コンサルタントからアパート建築を提案されたとしましょう。

たとえ相手が税理士だとしても、収益物件の建築を決断する直前では「本当に建てて大丈夫だろうか」という不安があると思います。

 

アパート経営は、『儲かる』という部分に魅かれて実行する人も多いです。

うまい話には注意が必要なのですが、「毎月これだけ入金されますよ」等と言われると、その気になってしまう人も多いということです。

 

確かに、計画通りに行けば儲かりますし、順調に経営されているオーナー様もおられます。

しかし、貴方もそうなれることが保証されるわけではないのですから、しっかりと検証をしなくてはなりません。

 

アパート経営は、『成功すれば』儲かるのであって、必ず儲かるわけではありません

そんな当たり前の事・・と思うかもしれませんが、これで失敗をしている人達が大勢いるのが現実です。

賃貸経営は、独立起業するような意識で取り組みましょう。

 

税理士の盲点

アパート建築を勧めてくる建築会社は、請負契約を獲得するのが仕事です。

ですから、当然、「建てた方が良い」という結論に達するプランを作成します。

これは、顧客に嘘をつくという意味ではなく、見せ方の工夫をしてくるという事です。

 

例えば、入居募集に必要となる仲介手数料やリフォーム費用等、不確定要素の高い項目は『試算に含まれません』等として提案してきます。

全てのリスクを網羅し、「最低の利益だと、こんな感じです」という提案をする会社は皆無ですよね?

そんな提案で契約がとれるわけがありませんし、営業マンとしては、なるべくこの部分には触れず、うまい話にクローズアップして話を進めたいのです。

 

税理士は、建築会社の作成した事業計画が非現実的な内容だったとしても、それを判別する知識がありません。それに、事業計画が崩れても自分の責任ではないのです。

ですから、「この通りにいくのであれば問題ありませんよ」とか「計画自体におかしな点は無いと思いますよ」等と回答するわけです。

 

このような意見を聞いて、「税理士が良いと言ったから大丈夫」等と勘違いしてはいけません。

これが税理士の盲点の正体であり、オーナー側が注意しなければいけないところです。

 

金利、賃料等に実際の数値が使用され、きちんとした計算書で提出されると、本当に実現しそうに思えてくるかもしれません。

しかし、収益物件の事業計画は、間違いなくその通りにはいきませんから、ミニマムでの収支を覚悟しなければならないのです。

 

税理士の裏事情

べつに悪い事だと言いたいわけではありませんが、税理士側では、建築会社から紹介料等を受領しているケースがあります。

建物金額の〇%といった形で紹介料を受け取っている場合がありますので、注意が必要です。

 

税理士は、不動産のプロではありませんし、本来は建物を紹介するような立場ではありません。

税理士が建築会社を紹介してくるなんて、そもそもおかしい話ですよね?

根拠を持って建築会社を紹介できるのは、不動産関係者とか、建築業界にいる専門家です。

 

ADVICE YOUでは、このような税理士への紹介料を監視し、建築会社から報酬が発生する場合には、必ずクライアントに還元する形をとります。

このような体系であれば、正しく公平な目線でアドバイスができるからです。

 

アパート経営のリスクとは?

建築会社の作成する事業計画には、多くの場合、「空室率」を見込んでいます。

原状回復リフォームにかかる費用や、修繕費等も一定の金額を計上してきます。

このように、ある程度のリスクは計画に入れているのですが、それでも実際は予想を下回る結果となることが殆どです。

 

何故、建築会社の事業計画が予定通りにいかないのか、不思議に思いませんか?

この理由は、必要経費がMAXで試算されない事と、建築会社では予見が難しい経費があるからです。

 

管理会社のチェック

実は、収益物件の事業計画を最も正確に算出できるのは、不動産管理会社です。

ADVICEYOUでは、建築会社の事業計画を基に、不動産管理会社に事業収支のチェックを依頼し、ミニマムでの収支計画を作成します。

 

建築会社からすれば迷惑な話でしょうが、クライアントの資産形成を預かる立場からすれば、アパート経営が破綻するのはもっと迷惑な話です。

オーナーの夢を潰すことになる場合もありますが、間違った不動産投資を止めるのも私達の役割の一つなのです。

 

計画遅れのリスク

事業計画が遅れるということは、資金の回収が遅れることに繋がります。

資金回収に大きなズレが生じると、それだけ建物が古くなり、大規模修繕建て替えが必要な時期を迎えてしまうこともあります。

 

資金が回収できていないのに、修繕費や解体費用等を負担するなんて、事業として成り立っていませんよね。

このような計画のズレは、長い年月をかけてジワジワと進んでいきます。

 

リフォーム費用や、客付け会社への仲介手数料・広告費等、思った以上にコストがかかる為、なかなか計画通りにはいきません。

ですから、ミニマムでの事業収支を把握しておくことが大切なのです。

 

アパート建築の判断方法

経営感覚の無い税理士は、借金を伴う計画を無責任に提案してきます。

借金をすることで、相続税対策にはなりますが、「返せれなければ資産が減る」という事を忘れてはいけません。

 

返済できないと思いますが、お金を借りませんか?」と聞かれたら、誰も借り入れをしようとは思いませんよね。

金利や諸費用の分を考えると、本当に損な話ですが、収益物件の建築ではこれと同じような事が起こっているのです。

 

不動産投資では、投資資産を回収するまでの期間で事業判断をすることになります。

そして、この回収スパンは、ミニマムな収支計画で行いましょう。

 

売却で回収する計画を持つ

収益物件の事業計画は、売却できるタイミングを見る事も大切です。

仮に、投資資金の回収に25年かかる計画があるとしましょう。

例えば、この物件を10年後に売却した場合、売却額で残債を完済できれば、ひとまず資金回収できたことになります。

 

この10年の間に相続が発生していた場合なら、節税効果の分だけ利益が出たのと同じようなものですよね。

売却してプラス収益になるタイミングの見極めができれば、それだけ投資リスクはコントロールしやすくなります。

 

これには、不動産のプロによる将来査定が必要ですし、不動産市場の相場観も求められます。

税理士には、このような見極めはできませんから、やはり複数の分野からの検証が必要という事実が見えてきます。

 

コストを徹底検証する

銀行から建築費用を借りる場合、どれくらいの金利を支払うことになるのか理解しておくことも大切です。

仮に、金利1%1億円の融資をしてもらい、これを20年で返済するとしましょう。

端数は省略しますが、この場合、約1,030万円もの金利が発生します。

 

しかも、最初の数年間は金利への返済率が高くなりますので、元本はなかなか減りません。

下手をすると、銀行を儲けさせるための事業になってしまいます。

 

賃料収入で1千万円稼ぐには、何カ月必要なのでしょうか。

その他、月々の管理料や、突発的なリフォーム費用等も賃料収入から捻出することになります。

各部屋の給湯器や換気扇等の故障や、備品類の交換等も思っていた以上にコストがかかるものです。空室が増えれば、入居募集費用(広告費等)も増加します。

築年数が15年を超えると、修繕費用もそれなりに必要になるでしょう。

 

このようなコストの把握が、事業の失敗を防ぐことに繋がります。

ご自身で把握できない場合には、監査機能を果たしてくれる相談先を見つけましょう。

ほんの数万円で事業リスクが回避できるのですから、第三者の公平な目を入れる価値として安いものとなるのではないでしょうか。

 

まとめ

アパートやマンションの事業計画をする際には、まずミニマムでの収支を把握することから始めてください。

あらゆるコストを考慮できる管理会社の目を入れる事がポイントです。

そして、売買のプロの目を入れ、売却の時期や価格等についても正確に把握しましょう。

このようなチェックを経た上で、税理士による最終確認(相続税対策効果の検証)を行うことで、初めて投資判断が可能になります。

依頼先に迷った時は、ADVICE YOUにご相談ください。東京・神奈川に限りますが、ミニマムでの事業収支表の作成を承っております

関連記事

  1. 山林の処分に困った時の解決策

  2. 子供に不動産を移す方法(事業承継ノウハウ)

  3. 親族間売買にかかる契約費用とは?

  4. 相続対策での不動産売却に注意!

  5. 土地の無償返還に関する届出書とは?

  6. 家賃保証(サブリース)の適正料金とは?

  7. 賃貸物件の防火管理(消火器交換)は誰がやる?

  8. 相続税対策における不動産対策

カテゴリー

PAGE TOP