家賃保証(サブリース)の適正料金とは?

収益物件の家主(オーナー)は、家賃保証に安心感と魅力を感じる人が多いです。

この為、多くのオーナーが毎月高い保証料を払って家賃保証サービスを受けています。

しかし、本当に家賃保証は必要なのでしょうか。

もし、単純に損をしているだけの話ならば、大損害をするための契約をしたことになります。

この記事では、家賃保証の本当のメリットについて長期的な視点から考えてみたいと思います。

この記事が、家賃保証の必要性についてもう一度真剣に考える機会になり、皆さんの損失を減らすことに繋がれば幸いです。

 

家賃保証は必要か

生命保険や損害保険会社のビジネスが成り立っている理由は、実際には何も起こらない人の方が多いからです。

家賃保証(サブリース)の場合も、実際に空室が出なければ、保証料は無駄な出費だったことになります。

 

それでも、「家賃保証があったほうが安心」と考える人が多いでしょうし、だからこそ広がったサービスです。

しかし、実態としては決してフェアなものではありませんので、それを理解した上で利用すべきだと思います。

 

本来、新築物件であるのならば、家賃保証は必要ありません。

何故なら、新築物件は最も価値が高く、「入居したい」と思う人が多いからです。

 

新築で入居者が入らないような物件は、そもそも事業として成り立たない場所なので、家賃保証会社でも保証できないという事になります。

要するに、本来、家賃保証が不要な物件でなければ、賃貸物件として成り立たないのです。

 

家賃保証のメリット

家賃保証の相場は、賃料の10%程度で設定される事が多いと聞きます。

つまり、空室による収益の減少が、長期的に10%以上落ちた場合にメリットが出るという事になります。

 

逆を返せば、収益率の減少が10%を超えない限り、多少空室が出たとしても「家賃保証は損」という事になります。

更に言えば、収益が10%落ちたとしても、収益回収スパンを10%伸ばせるなら問題ありません。

 

駅から近い場所等の場合、わざわざ10%を払う必要がない物件は多いはずです。

それなのに、わざわざ高い保証料を払って家賃保証を利用する人がいるのは、「手間が省ける」というメリットに価値を見出しているという事だと思います。

 

空室を埋めるために、近隣の不動産業者等を付き合う手間や、仲介手数料等のことを考えると「10%払ってもそのほうが楽だ」と考える人がいるわけです。

 

保証会社の存在意義

私が、この記事で最も気付いて欲しい点は、『保証会社は家賃の10%で儲かっている』という事実です。

10%の保証金によって、保証会社が儲かっているということは、「家賃保証がいらなかった」という証拠なのです。

 

家賃保証をしないで済めば、家賃の10%を無料で貰っているのと同じ状態になります。

このような期間の方が長いので、この商売が成り立つわけですよね?

 

つまり、皆さんが払っている家賃保証は、実際には家賃保証に使われない事の方が多いのです。

だったら、自分で管理をするか、しっかりと空室を埋めてくれる管理会社に任せれば良い事です。

 

結果的に見れば、わざわざ10%の利益を他人の会社にあげているだけ・・というケースも少なくないと思います。

 

家賃保証のトラブルは絶えない

家賃保証は、後になってトラブルとなるケースが後を絶ちません。

そこで、よくあるトラブルについてご紹介しておきたいと思います。

10%を取られた上に、トラブルで嫌な思いをするなんて、単なる社会悪でしかありませんよね。

オーナー様は、再度、「保証」の意味を考え直さなければならないと思います。

 

更新させないトラブル

家賃保証サービスは、悪い言い方をすれば「建築契約をとるため」のツールですし、「一番良い時期の利益を搾取する」仕組みとも言えます。

家賃保証の免責期間や、更新条件についてよく理解していない人には、『安心』ということになるのでしょうが、少し勉強をすると決して得な契約ではないことに気付くはずです。

 

契約書をよく見ると、『免責事項』が記載してあり、数年後、これを理由に家賃保証額を下げられる仕組みになっていることもあります。

一生保証されると思い込んで契約している人や、更新契約の際に保証額を減額される可能性があることを知らないで契約している人達は、後になってトラブルに発展するのです。

 

物件が古くなり、ようやく家賃保証の意味が出てきた頃になって、『家賃保証の更新はできません』等と言われたら、トラブルになるのは当然ですよね。

詐欺みたいな話ですが、契約書に更新できない場合の条件記載があれば、違法とは言えません。

 

保証会社の経営悪化

そもそも、数十年後に家賃保証会社が健全に存続しているとは限りません。

家賃保証会社が誠実に保証を行ったとしても、長期的な計画が誤っていた場合、その事業は破綻することになります。

 

オーナーとの約束(家賃保証契約)を守る会社だったとしても、支払能力が無くなってしまっては意味がありませんよね。

見通しの甘い会社は、将来的に「保証条件を変えざるを得ない」ということになり、最悪の場合には経営破綻してしまいます。

 

コロナウイルスでの緊急事態宣言や、未曽有の災害等、家賃保証会社が想定をしていないような事が起こった時、事業計画は狂い始めるでしょう。

保証会社が保証する戸数は、一般的なオーナーの所有数よりも多いでしょうから、リスクはかなり大きなものとなります。

結果的には、家賃保証を付けないオーナーの方が、低リスクとなる事があるという事です。

 

空室対策は家賃保証と同じ

収益物件の経営において、最大のリスクは空室が発生する事です。

そもそも、空室にならない物件であれば家賃保証は不要なのですから、しっかりと空室対策ができれば家賃保証をしているのと変わりません。

 

保証会社が家賃保証を引き受けられる物件というのは、「入居の可能性が高い物件」ということでもあります。

ご存知の通り、物件が新しい期間はそれほど空室のリスクは高くありません。

将来の空室に備えたいのであれば、利益率の高いうちに積み立てしておけば良いのです。(家賃保証でとられる分を貯金)

 

物件が古くなってくれば、誰でも不安は出てきます。

しかし、家賃保証をする会社も必ず「利益(入居)」を実現しなくてはいけないわけですから、その苦しさはオーナーと同じです。

 

そこで大事になってくるのが他の物件との差別化ですが、この対策方法を知っていれば、家賃保証会社など不要ということなのです。

 

一般的な空室対策

築年数が経過していくと、空室リスクは高まっていきます。

家賃を下げる」・「リフォームをする」等という方法が一般的な解決法となりますが、それでも空室が出てしまった時こそ、本当に家賃保証が欲しい時という事になります。

 

しかし、実際のところ、このような状態になった物件を家賃保証したがる会社はありません。

あるとしたら、新築の頃に家賃保証会社が充分な利益を享受していた場合だけです。

 

つまり、空室問題が深刻化している状況では、結局自分の力で空室を埋めなくてはいけなくなるという事です。

立地的な魅力が薄い物件等では、リフォームや賃料値下げでも空室が出てしまう事もあります。

そこで、キーワードとなるのが「希少性」です。

 

希少性を演出する空室対策

価値が高くなるもの」を簡単に言えば、『珍しいもの』という事ですよね。

たくさん存在するものは簡単に手に入るので、価値が低くなっていきます。

 

この原理は、収益物件においても同じです。

ですから、良い意味で「珍しい物件」(存在)にすることができれば、入居者が入るようになります。

 

例えば、「自分で自由に増改築やリフォームをしてもOK!」という物件にするとか、何かのテーマ(特定の趣味等)に沿ったコンセプトを持たせることで実現できるかもしれません。

このような、人があまりやらない空室対策に目を向け、それを見つける知恵を絞ることができれば、家賃保証は益々いらなくなります

 

ペットの飼育・シェアハウス・家庭農園の実現等、一般的な賃貸物件では難しいことを許可するだけでも、大きな差別化になる可能性があります。

また、借主が気兼ねなくリフォームにお金をかけられるように、原状回復義務を免除するといった工夫も有効かもしれません。

 

空室対策に繋がる3つの付加価値

物件の立地条件や周辺相場等については、オーナーの力ではどうしようもない問題です。

この為、物件自体の魅力を増大させて付加価値を生み出す工夫が必要になります。

家賃を下げることなく、物件に付加価値を発生させる方法には、代表的な3つのジャンルがありますので、以下にご紹介しておきます。

 

1.防犯・防災に関する対策

外国人の増加や、水害・震災の増加によって、防犯・防災の意識は高まっています。

その一方で、賃貸物件においては、このような対策がされていない物件も少なくありません。

マンション等ではオートロックや防犯カメラが当たり前に装備されている時代になりましたし、耐震性の高い建築物であることも入居者にとって重要な判断材料となります。

 

防犯カメラやモニター付きインターホンの設置の他、警備会社のサービスを付ける等、防犯に関する対策は女性からの支持を受けやすいメリットがあります。

建築コストとのバランスを考える必要はあるものの、家賃保証で支払うはずだった保証料を考えれば、かなり有効なお金の使い方と言えるでしょう。

 

2.居住性とデザインに関する対策

住宅としての性能が高ければ、他の物件に比べて居住性能での差別化が図れます。

具体的には、断熱性、遮音性、収納力等です。

収益物件は、建築コストを抑える傾向がありますから、通常の賃貸物件よりも格段に断熱性や遮音性が高い事をアピールできれば、確実に物件の強みになるでしょう。

 

コストがかかる部分ではありますが、機能性重視の入居者をターゲットとした戦略として有効です。

多くのオーナーが選びにくい付加価値だからこそ、希少性として認識される部分です。

この差別化を上手にアピールすることができれば、コストに見合った付加価値を生み出すことができると思います。

 

3.後付け設備による対策

住宅設備による空室対策は、建築後でも対応できる選択肢が多いのが良い点です。

短期間で手軽に空室対策をすることができるので、非常に有効な手段と言えます。

 

例えば、浄水器、食洗器、節水シャワーヘッド、IHコンロ等、簡単に取り付け出来るものがたくさん存在しています。

コストの問題さえクリアできれば、数カ月分の家賃で回収することができるでしょう。

 

まとめ

賃貸物件の経営においては、家賃保証よりも空室対策が有効であることがご理解いただけたのではないでしょうか。

家賃保証(サブリース)が「適正な料金」かどうかは、賃料収入が長期的に10%以下になるかを考えることで判断できます。

考え方によっては、家賃保証会社に頼るよりも、空室対策に長けた管理会社を探した方が良いのです。

管理料金が多少高かったとしても、空室対策に強い、実績のある管理会社に依頼した方が何倍も安全で、物件価値の向上に繋がるのではないでしょうか。

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