相続税を支払うための準備をしたい方や、相続財産を減らしたいと考えている方は、不動産に関する対策が必要になることが殆どです。
不動産対策を行う場合、各ご家庭の資産状況や家族構成等を考慮してベストな手段・順序で実行しなければなりません。
不動産対策には『失敗』もつきもので、税理士の言いなりになって大きな損害に繋がってしまった・・・というケースも少なくありません。
この記事では、相続税対策における不動産の活用・売却について、よく用いられている有効策についてご紹介したいと思います。
不動産での節税対策
税法改正によって、タワーマンション等の不動産評価方法が見直され、不動産を用いた節税対策の幅は狭まりました。
今後は、今まで以上に不動産対策が難しくなり、より専門的で総合的な知識を持つアドバイザーだけが有効な方法を提案できる時代になっていくでしょう。
税改正で状況が厳しくなっている現状はありますが、正しく活用することで、今後も一定の効果を生み出すことはできます。
これまでと同様に、不動産対策はとても重要であることに変わりはありません。
不動産対策を熟知し、様々な相続税対策と組み合わせることができる相談先を選べるかどうかが鍵となるでしょう。
不動産での節税対策としてスタンダードだった手法は、インフレや戦争の影響によって有効ではなくなる可能性があります。
この記事では、最新の不動産対策事情と、注意点等を交えながら具体的事例で説明していきます。
収益物件の建築
不動産を使った相続対策と言えば、アパート経営を思い浮かべる人も多いと思います。
一般的な節税対策をやり尽くしても足りないようなケースでは、最終的に「借金をする」という対策を選ぶ人も多いです。
この借金の方法として、収益物件の建築が選ばれてきた背景がありました。
しかし、ウクライナでの戦争や、金利・原油等の価格上昇によって建築コストは大幅に高騰しましたから、これまでと同じようなスキームが通用するとは限りません。
なぜなら、借入額が増えても、家賃は今までとそれほど変わらず、修繕費用等は増加していくからです。
つまり、将来に完済できなくなる可能性が高まっていて、仮に返済できたとしても完済までの時間が伸びることは確実なのです。
それでも収益物件の建築を勧める人がいるとしたら、きっとその仕事をとることで利益が出るからです。
つまり、建築会社や、建築会社からの紹介料を受けているような人達にアドバイスを求めても、正しい判断は得られない可能性が高いという事です。
不動産の相談先
収益物件を建てる対策については、今までよりも確かな判断力(相場観)が必要になりますから、不動産の専門家の目を入れることをお勧めします。
このようなアドバイスは、街の不動産屋では足りませんし、税理士でも自信を持った対応はできません。
もっと専門的な知識と経験を持つエキスパートを頼ることが重要なのです。
書面で根拠と責任を説明できるくらいの相手でなければ信用してはいけないと思います。
不動産業務の種類
不動産業は専門分野が細かく分類されていて、賃貸の専門家と売買の専門家では全くその内容が異なります。
医療機関の受診種類と同じで、不動産業には専門ジャンル(種類)がたくさんあると考えてください。
例えば、相続対策に関する不動産知識には以下のようなものがあり、それぞれ専門分野が違います。
- 戸建の売却(売買の経験)
- 広大地の売却(土地仕入れ経験)
- 収益物件の売却(都心部での売買経験)
- 家賃相場の設定(賃貸・管理の経験)
- 非課税枠と特例の適用(税務の経験)
- 収益物件の建築(請負業務の経験)
- マンションの建築(大手建築業の経験)
- 借地権(特定地域・法務等での経験)
このように、ざっと主要なものを挙げただけでも複数の専門的知識が必要になることが分かります。
しかし、一般的には1社の不動産業者に任せるだけで済ませてしまう人が殆どで、この判断が削減ロスに繋がっている場合もあるのです。
不動産業界をグランドスラムしているようなベテランがいれば良いのですが、通常は複数の不動産業者の知識が必要になります。
ADVICEYOUには相続対策に必要な不動産業務を全て経験したエキスパートが在籍しています。
相続不動産でお困りの際には、お気軽にご相談ください。
土地の売却
土地の売却が節税に繋がることも多いです。
土地評価が実勢価格(時価)よりも高い場合、売却をすることで相続財産が大幅に減少し、結果的に相続税が少なくなるという理屈です。
その他、不動産売却によって相続税資金を準備する目的の場合もあります。
いずれにしても、少しでも高く売ることが理想で、依頼先によって大きな違いが出るという事実を忘れないでください。
一般的な不動産業者に依頼すると、どこに出してもそれほど売却額は変わりません。
一方、土地仕入経験を持つエージェント等に任せると、市場価格よりも高い価額で売却できる可能性が格段に高まります。
これは、独自の入札ルート等を駆使し、高く買ってくれる相手を見つけられるコネクションがあるからです。
事前に売却する意味
相続発生前に不動産を売却するメリットは多岐に渡ります。
不動産需給に変化がある場面では、最も高く売れる相手を見つけたり、高く売れるタイミングを狙うこともできます。
これに対し、相続が発生して「相続税が払えない」という状況になってから売却する場合は、時間に追われ、高く売れるタイミングを狙うこともできません。
原則として10カ月以内に売却完了を目指すので、かなり忙しい売却となり、買い叩かれるおそれも出てきます。
不動産を事前に現金化することで、生前贈与や保険対策等に活用することもできるので、大幅に選択肢が増えます。
結果、大幅に相続税が削減できる可能性が高まるわけです。
売却時期と方法
不動産は、売却時期や販売方法(ルート)によって取引金額が大きく変動します。
単純に売るのではなく、『最大の価値で売る』という視点で方法論を模索できる相手に任せるのがベストです。
断言できますが、一般的なコンサルティング会社や、税理士事務所ではベストな不動産売却を追求できません。
何故なら、そのようなコネクションも経験もないからです。
税理士事務所や相続コンサル会社には、提携の不動産業者がいることも多いです。
しかし、その実態としては、普段は普通の不動産屋の仕事をしているだけの業者です。
あえて悪い言い方をすると、売買契約書が作れるだけの業者であって、相続対策の専門家ではありません。
入札方式による高値売却や、建築業者同士での競り合いなどを実現する仕組みやルートも持っていないので、数百~数千万円の違いが出ることもあるのです。
直近の事例では、街の不動産屋で売却する場合と比べ、約800万円高く売れました。
また、どこの不動産業者に相談しても売れなかった山林の売却に成功し、相続税が5千万円以上削減できた事例もあります。
このように、不動産対策では限られたエキスパートだけが実現できるノウハウが存在していますので、相談先を厳選して対策に臨みましょう。
親族間売買
不動産対策には、親族間売買という対策もあります。
節税効果が高い対策なので、実行されている方が大勢いる対策です。
主に、収益物件の建物だけを相続人や法人へ売却するという対策で、物件の正しい評価額が必要になります。
今後発生する賃料収入が譲渡先の所得となるので、被相続人の財産を増やさない効果を狙ったものです。
親族間売買の注意点
親族間売買では、取引価格(評価額)を小さくすると『みなし贈与』として扱われる可能性があります。
要するに、税務署から「売買ではなくて贈与と同じでしょ」と言われ、余計な税金を払う事になるかもしれないという事です。
このようなトラブルを避けるために、親族間売買には以下のような専門家の目を入れることが理想です。
- 税理士による手続きの確認
- 不動産鑑定士による正しい土地評価
- 親族間売買に長けた不動産の専門家
ADVICEYOUでは、親族間売買の経験を積んでいる専門家達で総合的にサポートしています。
不動産の生前贈与
2024年から相続時精算課税制度が新しく生まれ変わります。
これに伴って、不動産の生前贈与を検討する人も増えるでしょう。
タワーマンションの評価方法が変わる前に、不動産を生前贈与(又は親族間売買)する駆け込み需要も出るはずです。
2024年からの相続時精算課税制度では、110万円までの暦年贈与について申告が不要で、しかも相続税財産への持ち戻しをしなくても良いという特典があります。
このようなメリットを与える点から見て、政府はこの制度を推進したいという思惑があるのでしょう。
相続時精算課税制度を利用する場合においても、正しい不動産評価と税理士によるチェックが必須です。
超長期的な戦略をもって計画すべき対策ですので、総合的な視点で相続税対策を分析できる相談先を選んでください。
遺言書での不動産対策
遺言書の中で、どの不動産を誰に相続させるかを指定しておくというのも1つの不動産対策と言えます。
この場合も、不動産の価値を正しく把握しておかなければいけません。
この仕事(不動産の正式な評価)ができるのは、不動産業者ではなく、不動産鑑定士や税理士です。
また、正確な資産評価額を算出し、相続税の予想金額を提案できるのは、税理士や会計士です。
不動産業者が評価額を出せると勘違いされている方が多いのですが、不動産業者が出せるのは査定価格(いくらで売れそうか)だけです。
遺言トラブル
遺言書は、法律家の目線から権利者とのトラブル回避を想定し、税理士の目線から節税や遺留分の計算を行い、不動産や保険の専門家によるアドバイスも重要な検討要素となります。
一般的に、弁護士や税理士等、1名の専門家だけに依頼をして作成された遺言書が多く見受けられます。
親族(敵対的な相続人)からの訴えによって無効を主張され、裁判で負けるケースもありました。
このような遺言書は、相続発生後になって盲点が顕在化し、トラブルに発展しているケースも多いです。
実際、過去に作成された遺言書を見せてもらうと、全体の約8割は不完全な遺言書になっていると感じます。
遺言書は要件を満たせば覆されることもあり、絶対的に安心できるものではありません。
遺言書の作成は、複合的な視点を持ち、複数の専門家の目を入れられる組織でなければ受けるべきではない業務だと感じます。
個人的に、相続対策において最も重要なポイントだと思いますので、くれぐれもご注意ください。
測量の不動産対策
農地や山林を所有している方の場合、測量を行うことによって相続対策が進むことがあります。
「縄伸び」といって、登記簿よりも実際の土地面積が広い事が判明することもありますし、測量図を作成することによって高値で売却できるようになることもあります。
確定測量
地主さんが所有している土地には、確定測量をしていない事も多いです。
実は、不動産売買の際には、確定測量をしている土地の方が高く売れる可能性が高まります。
測量費用が高いからと言ってそのままにしている地主さんも多いのですが、売却時に数百万円の違いが出るのであれば、測量をしておいた方が良いに決まっていますよね。
この辺の判断は、不動産知識に長けた担当者でなければ不可能な為、一般的な相談先ではあまり提案自体を行いません。
測量しておけば大幅に得になるような案件も多いのですが、その事自体に気付かない専門家も多い実態があるわけです。
ADVICEYOUでは、事前に測量をした方が良いかどうか判断できるエージェントが在籍していますので、気になる土地がある方はお問合せください。
最後に
ADVICE YOUは、正しい相続税対策を行うための窓口となり、提携する専門家達の知恵を集結させることができます。
この記事でご紹介したような問題点や懸念材料を確実にクリアできる体制を実現しています。
そして、成果報酬型の料金体系である為、対策効果が発生しなければ費用は発生しません。
また、先行して費用が発生しない点もクライアント様にとって大きなメリットとなるはずです。
保険での相続対策にも豊富な経験を有したエージェントがおりますので、不動産や税務以外の面でもベストサポートを徹底監視できます。
第三の目(インフォームドコンセント的なチェック機関)としてもご利用いただけますので、既存の相談先がいる方でもお気軽にご相談ください。
多少お時間はいただきますが、既存の相談先に提案されたプランが正しいかどうか、無料検証も可能です。
ADVICEYOUには、一般的な税理士事務所やコンサルティング会社では実現できない専門家との連携体制があります。
この記事でご紹介した不動産対策が必要な方は、以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。