司法書士は、その肩書だけで信用力があるため、あまり人選にこだわる人がいないように感じます。
相続対策を講じていく際には、どこかのシーンで必ず司法書士が登場する場面が訪れますが、そんな時に思い出して欲しいお話を書いておきたいと思います。
コンサルティングや不動産の仕事を通じて、多くの司法書士と関わってきましたが、その仕事ぶりや対応力等には大きな個人差があります。
また、相続対策における司法書士の役割についても、ある程度の理解をしておくべきだと思います。
この記事では、司法書士の選び方と、相続対策での役割についてご紹介しておきます。
司法書士の選び方
司法書士を選ぶ際には、決して費用だけで選ばないでください。
そもそも、司法書士の報酬は、おおよそ同じくらいの金額になっていますし、法律家が法外な料金をとるようなことをするわけもありません。
ですから、報酬額を選別基準にするのではなく、司法書士の個性や仕事ぶりで決めるべきなのです。
どんな業務を依頼するのかによっても選別のポイントは変わりますが、どうせ任せるのなら少しでも対応力の高い司法書士を選びたいものですよね。
人選によって結果が大きく変わることも有ると思いますので、司法書士選びは、思っている以上に大切だと感じます。
とはいっても、司法書士の人柄や、実際の仕事ぶりは調べようがありません。
ですから、良い司法書士を選ぶための唯一の方法は、『確かな目を持つ人からの紹介』という事になります。
司法書士も十人十色
司法書士も人間ですから、それぞれに個性があります。
個人的な感想ではありますが、業種的な特性として、機械的で冷たい印象を与える人が多いと感じます。
この手のタイプは、依頼された事だけしかやりませんし、親切心に欠けます。
レスポンスについても、遅い人と早い人の差が大きいと感じます。
事務所の忙しさにもよるのかもしれませんが、やはり個人の意識の高さによるところが大きいのではないかという印象です。
その一方で、私達が分からない所や、間違えやすい点等を自発的に教えてくれる人もいます。
どんなに小さな事でも、素早く返事をくれる人もいるのです。
誰でも、そんな親切でスピード感のある相手に依頼したいですよね?
でも、殆どの人は「司法書士」という肩書だけしか見ようとしません。
これは、とても勿体ない事だと思います。
オススメの司法書士
ADVICE YOUでオススメ(提携)する司法書士は、第一に人柄重視です。
たとえ優秀な人でも、クライアントを不快にさせるような人物では困りますし、何よりも『心』が無い人にはプラスアルファの要素がないからです。
クライアントに対して、思いやりや優しさのある人は、必ずどこかでプラスアルファの仕事をしているものですよね。
また、人柄の次に重要視しているのが、スピードと責任感です。
相続対策では、スピード感も大変重要です。
特に、コロナ渦では、いつ相続が起こってもおかしくありません。
ですから、少しでも早く対応するという意識を持つ人である事が求められるのです。
たとえば、遺言の保管や、登記等の作業が一日遅れただけでも、相続に大きな影響を与えます。
司法書士のスピード感は、相続対策にとって大きな比重を占めていますから、人選にはこだわっていただきたいと思います。
相続対策での役割
司法書士は、税金のプロではなく、法律家です。
ですから、相続対策においては、法律(権利)に関する部分で最も力を発揮します。
権利関係に関する業務は多岐に渡りますが、相続対策の中で発生するのは主に5つです。
1.相続人に関する相談
ここで言う相続人に関する相談は、相続争い(トラブル)に備える相談の事です。
争いが起こらないようにする対策を含め、法律家による対抗策を講じることは大変重要です。
既に、相続トラブルが発生しているケースについては、どちらかと言えば弁護士の仕事になります。
個人的には、「誰にどんな請求権があるのか」という法的な権利を理解するには、司法書士に相談するのが一番良いと思います。
相続権や資産分配の考え方等を理解するための相談先としては、税理士と司法書士の両方にバランスよく相談するのがベストです。
ADVICE YOUでは、これらの窓口を1つにしていますので、「良い専門家を探す手間」を省くことができます。
2.不動産の所有権移転登記
相続案件では、不動産の売却もよく発生します。
また、相続対策として、収益物件の購入や、建築等を行う人もいます。
このような不動産取引では、必ず登記の仕事が発生しますので、これを司法書士に依頼することになります。
登記作業については、あまり人の「心」を入れられる部分がないですし、そもそもが機械的な届出業務ではあります。
とはいえ、重要な権利に関する仕事なのですから、人として信頼のおける相手(司法書士)に任せるという事が大切だと思います。
3.遺言書の作成
相続対策が進んでいくと、「誰に何を遺すのか」という事が明確になってきます。
そして、「どんな事が起こったとしても、親族間にトラブルが起きないように対策をしておこう」と考える余裕が出てきます。
そこで、重要な役割を果たすのが遺言書という事になります。
公正証書にするか、自筆証書にするかの判断も含め、法律家に相談すると良いでしょう。
遺言書の作成には、弁護士や司法書士が関わることが多いですが、行政書士等でも相談対応しているケースがあります。
近年、自筆証書遺言の制度改正があり、法務局に手軽に保管できるようになりました。
この影響もあって、自筆での遺言作成業務は、身近な相続対策として機能し始めたと感じます。
4.遺留分への対策
現在の家族以外に、相続人となり得る子供等がいる場合、遺留分の対策が必要になることがあります。
具体的には、被相続人に隠し子がいる場合や、過去の結婚でできた子供等がいる場合の事です。
遺留分の権利者に対して「財産を渡したくない」という場合には、かなり緻密な対策が必要になり、保険商品を駆使することも多いです。
遺留分は、遺言書の内容に関わらず保証されている権利ですので、適切な対策には多岐に渡る知識が必要になります。
資産評価等にも工夫が必要になる為、法律家だけではなく、不動産や金融の専門家によるアドバイスも欠かせません。
5.任意後見や家族信託
被相続人が重度の認知症になると、相続対策を講じることができなくなります。
こうなってしまってからでは、相続税を減らすための対策も打てません。
そこで、意識がハッキリしている内に、後見人を指定して登記しておくのが有効な対策となります。
つまり、本人に代わって財産を動かせるようになっておくわけです。
近年、家族信託という形態が注目されており、後見人よりも少し身近な対策として活用されています。
このような業務については、専門の司法書士を選ぶことをお勧めします。
ADVICE YOUでは、後見関連を専門として活動する司法書士についても提携しておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
相続対策での司法書士の役割は、大きく分けて5つです。
司法書士によっては、その中の1つに絞った業務に専念している人もいます。
この為、各シーンに合わせて司法書士を変えるという視点を持つことも、より良い人選をするために有効な対策になると思います。
ADVICE YOUは、実際に一緒に仕事をした上で、「この人なら安心」と思える先生とタッグを組んでいます。紹介ご希望の際は、お気軽にお声がけください。