賃貸(収益)物件は、一定規模を超えた場合には消火器等を設置する義務があり、その点検時期等が定められています。
賃貸物件オーナーは、「いつ、誰が防災の管理を行うことになっているのか」この機会に再確認しておきましょう。
防火管理とは?
賃貸物件の防火管理とは、消火器の設置や、火災報知器等の点検や整備等のことです。
このような防火に関する管理ルールは、消防法で定められています。
賃貸物件のオーナーでも、「え?そうなの?」という感覚の人は多いのではないでしょうか。
管理会社に任せっきりのオーナー等は、自分の物件に防火管理が必要な事も知らないかもしれません。
防火管理は、人の命に係わる備えですので、必ず確認しておきましょう。
防火管理者
消防法では、一定の規模以上の収益物件について、防火管理者の選任が必要だと規定しています。
防火管理者とは、所轄の消防署長への届け出を義務付けられている国家資格者のことです。
防火管理者には、甲種と乙種の2つの区分があります。
そして、管理を行う物件の種類によって、どちらの種別が必要になるかが変わってきます。
所有者へのペナルティ
防災管理者の選任が必要な規模の建物について、物件オーナーが当該義務を果たさなかった場合には、30万円以下の罰金又は拘留という厳しい規定があります。
ですから、「知らなかった」では済まない知識と言って良いと思います。
一般的には、管理会社がこのような作業を行っていますが、オーナー側でも依頼している管理会社に対して「ちゃんと管理者の選任をしているか」を確認する意識が必要です。
管理会社がうっかり忘れていた場合でも、責任はオーナーにありますので注意しましょう。
防火対象物とは、どんな建物?
防火管理者が必要になる建物の事を、防火対象物といいます。
防火対象物は、ホテル・デパート・幼稚園・病院・学校等のような『特定用途』に該当するものと、居住用アパートや賃貸マンション・事務所等の『非特定用途』の2種類があります。
賃貸物件のオーナーの場合、『非特定用途』に該当しますので、少し詳しくご説明しておきましょう。
非特定用途でのルール
非特定用途の建物の場合、収容人数が50人以上の場合に防火管理者が必要になります。
更に、収容人数が50人以上の建物の床面積によって、甲種・乙種のどちらの管理者を置く必要があるかが変わります。
法定点検については、半年に1回以上行うことになっており、1年に一度は点検結果を消防署へ報告しなければらなりません。
収容人数が50人未満だとしても、オーナーはできるだけ意識して防災管理に努めることが望ましいですので、出来る限りの備えをしていきましょう。
防災管理の考え方
本来、防災への備えは、「法律で決まっているから」という理由で行うものではありませんよね。
各自が危機感を持ち、自発的に入居者の命を守る備えをするのが理想です。
小さな物件であっても、定期的な簡易点検などは実施していただきたいと思います。
現在、管理会社に任せている場合は、清掃等の際に状況確認をしてもらえば良いと思います。
良い管理会社は、全ての入居者に挨拶をし、顔まで把握しています。
そして、物件の清掃や防災管理にも目を配らせてくれます。
同じ料金で管理を任せるなら、少しでも良い管理会社に委託するように心がけることをオススメします。
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まとめ
実際の賃貸管理の現場では、法定点検については外注している管理会社が多いようです。
50人以下の物件については、建築当初に消火器等を設置するだけ・・といった状態になってしまいがちです。
収容人数50人以下の物件に防火管理者の選定は不要ではありますが、各オーナーが防災意識を持つ事が大切です。
一定の利益を実現している物件については、自主的に点検や交換を行い、不測の事態に備えるようにしたいですね。
人の命に係わる備えですので、できる限りの取り組みをしておきましょう!