相続で受け継ぐ予定の不動産資産の中に、山林や農地等がある場合、その評価額の高さに頭を悩ませている人も多いと思います。
このような種類の不動産は、一般の人からの需要が低い為、売却することが難しいという事情があります。
面積が広い山林等の場合、測量をかけるにも多額の費用を伴います。
また、市街化区域に近い農地は、宅地並の評価額となることもありますので、受け継ぐために相続税を支払う必要が出てしまうことも珍しくありません。
使わない田畑や遊休地を受け取るために、多額の相続税を払うのは抵抗があるでしょう。
相続対策上、このような不動産は「なんとか今のうちに処分したい」という事になります。
しかし、普通の不動産業者は、山林や農地の扱いに慣れていませんし、取引自体が殆どありません。
この記事では、このような山林や農地の処分でお困りの方々に、耳寄りな情報をまとめておきたいと思います。
山林の維持管理費用を考える
不動産の維持管理費には、色々なものがあります。
税金面では固定資産税がかかりますし、収益物件の場合なら管理会社等への費用がかかります。
雑草等の刈り取りや、建物の修繕が必要な場合もあるでしょう。
山林の場合には、建物は存在しないかもしれませんが、普通の不動産とは異なる維持管理費用がかかることがあります。
これは、相続対策上で大きなリスクとなる可能性もあり、早急に解決しておきたい問題でもあります。
実際、山林の所有者に話を聞くと、数百万円単位での出費経験を持っている人が少なくありません。
長い間、山林を保有していると、地震や台風等の天災によって倒木が発生して道を塞ぐとか、土砂が流れて近隣の迷惑になるといったことが起こることがあるのです。
良く聞く話では、隣地等に竹林が越境してしまい、これを処分しなければならなくなったといった「伐採費用」が発生するケースです。
近年、竹の処分費用が高額になっており、竹林の維持管理が大変になっている現状があります。
記録的な大雨が増え、山林の土砂崩れについて不安を抱える人も少なくないようです。
山林には、固定資産税もかかりますから、不要な山林を持つことは損失でしかないのです。
長期的に必要となる費用を考えると、「保有する意味」について疑問が出てくる方も多いはずです。
山林の売却先とは?
山林を買いたいという人を見つけるのは大変ですし、いたとしても割安な価格でなければ成約しません。
また、測量等が行われていないことも多いので、正確な面積が分からず、取引を倦厭されるという事情もあります。
無料で譲渡しても良いと考える地主さんも多いのですが、もらってくれる人を見つけるのも大変なのが実情でもあります。
土地代金が無料だとしても、登記費用はかかりますし、今後の固定資産税や災害リスクも考えて山林所有を決断することになりますから、心理的なハードルは意外に高いのです。
このような事情から、山林は「どうすることもできない資産」として、最後まで残り続けているのです。
代々、相続の度に土地を切り売りしてきた地主一家は、最後にこのような「売れない土地」だけが残り、次の相続で払う相続税が用意できなくなるのです。
ですから、早い段階でこの問題を解決しなければいけません。
「売却」ではなく「処分」という感覚で行動する必要があるのです。
山林の処分方法
山林を市区町村や国に寄贈して管理を委ねられれば良いのですが、これも難しい実情があります。
行政側からすれば、僅かとはいえ山林から固定資産税が徴収できる方が良いわけですし、むやみに土地を受け取れば、行政が個人所有の災害リスクを無償で負ってあげることにもなります。
このような事情から、行政も、山林をすんなりとは受け取りません。
農地等もそうですが、国による買取りや無償譲渡については、相当の理由がなければ通らないのです。
山林の処分先は、「お困り不動産」を得意とする不動産業者に任せるのがベストです。
山林の処分は、独自のノウハウを持っていなければ上手く買い手とのマッチングはできません。
山林を専門に取り扱うサイト等に登録し、どの程度の現実味があるのかを確認してみるところから始めてみると良いかもしれません。
ADVICE YOUでは、このような不動産の取引を得意とする不動産の専門家とも提携していますので、お気軽にご相談ください。
山林を活かした事例
山林に、何かの目的で利用できるように手を加え、付加価値を出した上で売却するという方法もあるにはあります。
少しハードルが高いことも事実ですし、何より先行投資的なコストがかかることがネックになるでしょう。
成功例としては、キャンプ用地として整備するとか、筍や椎茸などの栽培用地として売却するケースです。
山頂付近に畑をつくって販売している例もあります。
元々、山は海から隆起して形成されていることも多いので、土壌としては耕作に向いているという特性もあるようです。
近年は、ちょっとしたキャンプブームが起こっていて、癒しを求めて一人キャンプに行く人も増えています。
都心に近い場所で、手軽にキャンプができる場所を求めている人もいるでしょうし、山林を欲しがっている人も増えてくるかもしれませんね。
ADVICEYOUでは、このような山林の開拓事業についても相談可能です。
造成会社等とも連携をとっており、多様な処分計画に対応しています。
相続放棄は現実的ではない
故人の負債や山林などの不動産について、相続放棄をする方法もあります。
しかし、放棄をする際には、有益資産(プラスの資産)も放棄しなければなりません。
その他、相続税控除等が受けられなくなることもありますので、デメリットも大きいのです。
ですから、相続放棄を考える場合でも、信頼できる税理士等に相談が必要です。
相続放棄は最後の手段とし、まずは処分の方法を模索することを優先しましょう。
ADVICEYOUの独自ノウハウとして、マッチングシステムの構築も進めているところです。
山林や農地でお悩みの方は、話を聞いてみる価値があると思います。
まとめ
市街地に近い山林は、相続の際に大きな資産として評価されてしまうことがあります。
いらない山林を受け継ぐために高額な相続税を払わなければいけなくなる事例は、思いのほか多いです。
早い段階で処分を完了することによって、相続対策として大きな効果が出てきます。
無駄な管理費もかからなくなりますから、早急に処分するのが得策ですが、具体的な方法論を持つ業者が少ないのが実情です。
東京周辺の山林であれば、一度、ADVICEYOUにご相談ください。