亡くなった親族(被相続人)が上場株式を保有していた場合、相続税を計算する際に評価額を計上する必要があります。
この際、株価についてどのように計算すれば良いのか、その手順について簡単に説明したいと思います。
1.上場株式の情報を調べる
故人が保有していた株式がある場合、銘柄の証券コードや、保有していた株数、死亡日の終値等を調べる必要があります。
その株を保管している証券会社の取引画面にログインできれば、基本情報についてはすぐに分かるでしょう。
ログインが出来ない場合は、故人が保管していた書類やパソコン上にあるトレード用ツールの種類等から、証券会社を特定しましょう。
連絡先さえ分かれば、あとは事情を説明して必要書類等を用意します。
株価を調べる
株式等の評価は、被相続人が亡くなった日(相続発生日)の終値が基準とされます。
単純にこの終値で計算すれば良いと思っている方も多いようですが、実は、上場株の評価には別の評価方法もあります。
簡単に言えば、4つの計算方法があり、その中で最も低い評価で計上して良いのです。
その4つの評価とは、以下のようなものです。
1.相続発生日の終値(土日や連休中の場合は直前の取引日)
2.相続発生当月の終値平均値
3.相続発生月の前月の終値平均値
4.相続発生月の前々月の終値平均値
上場株式の評価では、相続開始時点の終値だけではなく、当月を含めた直近3カ月の終値平均値を比較考慮できることになっており、その中で最も低い株価を採用することができます。
とても大きな金額差になることもありますから、知らないと損な話です。
日本取引所等でも過去の終値を調べることができますが、取引していた証券会社に問い合わせるのが良いと思います。
2.評価額を計算してみる
保有している上場株式が複数ある場合は、それぞれの終値を確定してください。
保有していた株数に、採用する終値を掛ければ、評価額が算出できます。
例えば、1株500円の株を1万株保有していたら、
500円×10,000株=5,000,000円
ということです。
まとめ
高齢の親族が株式を保有しているご家庭では、取引をしている証券会社や、保有銘柄等の情報を聞いておくとよいですね。
証券会社の問い合わせ(電話)番号や、口座数等も把握しておかれると良いです。
上場株式の評価計算は、この記事でご紹介した4つの終値の中から一番低い価格を採用して計算するだけです。
余談ですが、高齢者が株式を保有していると、痴呆等になった際にとても厄介です。
痴呆になると、株の売り買いができませんので、急落や急騰での利益確定ができません。
ですので、70歳を超えた辺りからは、現金化や投信等への切り替えをしておかれると良いですね。